電気。押したら動く。最も単純なインタラクティブな形。 壁のスイッチをONにしたら電気がつく。OFFにしたら電気が消える。 決して裏切られることの無いシンプルな対話。 彼氏が尋ねる。今日何食べたい? 彼女が答える。なんでもいい 彼氏が尋ねる。中華は? 彼女が答える。なんでもいい 彼氏が尋ねる。イタリアンとかどう? 彼女が答える。なんでもいい。 これはインタラクティブな関係だろうか? インタラクションは、究極的には人と人が対話する環境を指すのだと思う。 それは決して特別なことではなく、日常的に我々が日々行っていること。 その日常的な行為をテクノロジーを用いて再現しようとした時、 インタラクションという言葉が必要になってくるのだと思う。 人間の対話には様々な段階がある。 非常に深い意思疎通の元に行われる対話がある一方で、 上辺だけの対話もある。 同様にインタラクションにも段階があり 用いられるテクノロジーによって、実現可能な対話の深さが違うのだと思う。 だからといって、電気を点けるというインタラクションが、 人間関係に置ける上辺だけの対話を意味するというわけではなく、 単にインタラクションに深度の違いや複雑さの違いがあることで、 表現の幅に違いがあるという話。 – asanoLab Press http://press.asanokohei.com
だいぶ前にやっていた、マンガ家の浦沢直樹氏が出演したトーク番組を見た。 その中で、マンガでは読者の時間の流れを作者がコントロールすることが出来 ない、だからここで一拍置くとかそういうサインをマンガに籠めているという 話があった。 映画や音楽は始まりがあり終わりがあって、鑑賞者は作者もしくは演奏者の意 図した時間軸を予定通りに共有することが出来る。作者はその時間軸を自由に 操ることで鑑賞者を誘導し共感へと導く。 その一方でマンガは読者がマンガを読むスピードを作者はコントロールするこ とは出来ない。そこで浦沢氏は、無言のコマを入れる等して「間」を作品に籠 めるのだそうだ。 時間軸のコントロールを鑑賞者に委ねているという点はインタラクティブアー トにも共通する部分がある。そしてインタラクティブアートでは、より積極的 に様々な方法で「間」が作品に籠められているように思う。どういう行動に出 るか予測不可能な観客の行動を酌み、どういった間を持ちながらインタラクテ ィブな関係を構築して行くのか。どういった間を作品に籠めて行くのか。 正確に言えば、インタラクティブアートの場合、鑑賞者の時間軸をコントロー ルすることもしないことも可能であり、だからこそ、そのバランスもまた重要 であるように思う。 鑑賞者の時間をどのように扱うか、これはなかなか難しい課題であるとも思う。 – asanoLab Press http://press.asanokohei.com
モビール (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB) は、最も単純なインタラクティブ作品としてよく例に挙げられる。 自然の空気の対流、あるいは人の動きによって空気の流れに微妙な変化が起 き、その空気の流動によってモビールが動きフォルムが変わる。特に人の動き によってフォルムが変化する場合、そこに人と作品との物理的な対話があるよ うな感覚が得られる。しかし、おそらくモビールの場合、表現の主体はフォル ムの変化にあり、造形的な変化が作品としての面白みの中心にあるように思う し、そのように理解されるのが一般的なのではないかと思う。 その一方でコンピュータインタラクションはモビールが実現しうるインタラク ションと比べ、より多様な対話が可能だと思う。どちらが優れているかという ことではなく媒体の特性として、インタラクションの過程、あるいはバリエー ションを記録出来るという点が、インタラクションに多様さを生むのだと思 う。これによって、鑑賞者の働きかけに応じて様々な反応を返すことが可能で あるし、意図的に反応を返さないこともできる。作者は、その対話の過程を意 識し、意図的にインタラクションの時間軸を作品の中に事前に記録することが 出来る。この場合、作品の主体はインタラクションによって変化する作品のフ ォルムにあるのではなく、作品と鑑賞者の物理的な対話に表現の主体があるよ うに思う。 単にインタラクションだけに目を向けると、鑑賞者の働きかけによって起こる 変化を有する作品は、全てインタラクティブであると言えると思う。そこで、 インタラクションを用いた表現の主体はどこかということに目を向けてみる と、従来の表現では難しかったコンピュータを用いるからこそ可能となる表現 の可能性が見えてくるように思う。 – asanoLab Press http://press.asanokohei.com
http://www2.media.t-kougei.ac.jp/~asanolab/wp/wp-content/uploads/474945fbb25d7-thumb_DSCF11161.JPG エリカ様がポスターのメインビジュアルになっている東京都現代美術館のSPACE FOR YOUR FUTURE展に行ってきました。センサーを使ったインタラクティブ作品はほとんどありませんでしたが、建物3階分くらいはあろうかという、浮遊する巨大オブジェは空気の流動に応じて動くという意味ではモビール同様のインタラクションを感じます。 あとLEDを利用したドレスは、光の変化が何かしらのセンシングに応じたものでないにしても、その服を身につける人の動きに応じてフォルムや光の見え方が変化するという点はインタラクティブであるとも感じられます。衣服全般がもしかするとモビールと同じようなインタラクションの要素を持つのかもしれない。2008年1月20日まで 東京都現代美術館
LEDがぶんぶん回る。 それぞれのLEDが一定パターンで点滅しているので、残像効果で全体の色が変化して見える。 こちらの場合、モーターの軸ともう1カ所、軸の周りに接点を配置している様子 借り物なので分解は出来ませんでした。
モーターで回転している物へどうやって電源供給するかを調べるためにLEDファンを分解してみました。 LEDのついた扇風機 英数字を好きなように登録出来ます。 中は非常にシンプル。基盤はどこ?と思ったらプロペラの部分に隠されていました。 回転する基盤に対し、電源だけでなく、スイッチ部分からも配線が必要なこのおもちゃ。 モーターの回転軸、中心付近のバネ、その周りに二つの円盤状の接触面。 基本的に回転軸以外はバネの力を利用して、金属部分同士をこすり合わせることで 回転しながら通電させているようです。
http://www2.media.t-kougei.ac.jp/~asanolab/wp/wp-content/uploads/473febf5b6b28-thumb_Image153.jpg http://www2.media.t-kougei.ac.jp/~asanolab/wp/wp-content/uploads/473febf69f471-thumb_DSCF09941.jpg 21_21 DESIGN SIGHT で水と戯れてきましたインタラクティブ作品もいくつかあります 展示としての完成度はやはりとても素晴らしく 撥水ペーパーの作品をまだみたことがない方には特にお勧めです 先日のザイムでご一緒した川崎義博さんのacua scapeも素敵です 2008/1/14まで六本木 東京ミッドタウンで開催中 http://www.2121designsight.jp
「mixiはなぜ、独り勝ちできたのか 笠原社長が語る」 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0711/15/news115.html という記事が目に入ったので読んでみたら、 成る程成る程と思うコメントがあった。 –本文抜粋– mixiの強さの理由は4つあると笠原社長は言う。(1)当時のネットユーザーが 持っていた「リアルな人間関係とつながったサービスがほしい」という潜在的 ニーズをくみ上げたこと、(2)CGM(Consumer Generated Media)が一般化す るタイミングで、その波に乗れたこと、(3)人が集まるほど価値が高まる 「ネットワーク外部性」が働くこと、(4)コンテンツが “動的”であること ――だ。 GREEなど他SNSとの差別化では(4)が決定的な要因となった。「米国や国内 他社のSNSは、人と人とつなぐだけの“静的”なものが多かったが、それだけ ではサービスとして続かないと思った」――mixiが最重要視したのは、静的な 人間関係図作成で終わらないサービス。「人と人とがつながった上で、コミュ ニケーションできるSNSを目指した」 日々更新される日記や、アクセス履歴を示す「足あと」、最終ログイン時間 を示す機能などをオリジナルで搭載。「日記を書いたらそれにコメントがもら え、さらに返信のコメントをして――アクションとリアクションの繰り返し。 アクセスするたびにコンテンツが変わるから、それを楽しみにまたアクセスし てもらえる。それが高いアクティブ率につながった」 ——- 「人と人とがつながった上で、コミュニケーションできる」 「アクションとリアクションの繰り返し。アクセスするたびにコンテンツが変 わるから、それを楽しみにまたアクセスしてもらえる。」 この辺の考え方はインタラクティブアートに鑑賞者を引き込む要素としてもと ても大切だと思う。 コミュニティを形成して行くことと、インタラクティブアートで表現を成立さ せていくことは、近いことなのだと思う。 – asanoLab Press http://press.asanokohei.com
100%Design Tokyo(http://www.100percentdesign.jp/)をゼミメンバー有志で見学。 内山ゼミがナイキのブースを手がけたということもあり、その見学と、プロの技を勉強する目的で、終わり間際に一気に会場をまわる。 かなりの刺激を受けて、興奮状態の面々。 インタラクティブな作品もちらほら。 ただこういう場でも、インタラクティブの必然性、コミュニケーションの必然性を強く感じるインタラクティブ作品はまだまだ少ないんだな〜と感じました。
松村 誠一郎さんのお招きにより、 東京藝術大学 芸術情報センター 芸術情報特論でコミュニケーションのとインタラクティブアートについてお話しさせていただきました。講義後には、新たな出会いもあったりして、とても素敵なひとときでした。