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Ars Electronica Centerへ行こう その5 「I Love Linz! 街歩き」

街はまだまだクリスマスの雰囲気。欧米では年越ししてしばらく迄はクリスマスの装飾が街を彩るらしい。素敵なクリスマスデコレーションをしたショーウィンドウもたくさんあった。しかし、それにしても寒い。気温は0度以下が当たり前。冬のヨーロッパは観光をするには少々辛い季節なのかもしれない。 教会のステンドグラスがとても素敵だった。宗教画でなく様々な正方形のガラスで描かれたモザイク模様。まるでコンピュータのピクセルのようだとアルスエレクトロニカのスタッフに話したら。「あなたはやっぱりメディアアーティストね」と言われてしまった。 2009年の一番の注目は、やはりリンツがヨーロッパ文化首都となっていることだ。アルスエレクトロニカセンターのリニューアルも、このヨーロッパ文化首都のオープニングセレモニーに合わせてのことのようだ。とにかく盛大なお祭りのようで、一年間、街をあげて芸術関連の催し物が多数行われる。中央広場には専用のインフォメーションセンターも新設され、イベント案内やおみやげ販売などが行われていた。そして街中にLinz09をモチーフとした面白いポスター、看板が設置されている。 この街には東京のようなギラギラした感じがない。美しきドナウ川が流れ、小高い丘があり、街を路面電車が行き交う。人々も穏やかで、どんな路地も危険を感じさせるような雰囲気がなく、落ち着いた安心感と素朴さを持った素敵な街。そんな街の中心に世界の注目を集め、最先端アートを発信し続けるアルスエレクトロニカセンターが存在するのは、何とも不思議な感じもする。 大きな地図で見る リンツ城跡の公園からはドナウ川を挟んで、アルスエレクトロニカセンターとレントス美術館とを眺めることができる。夕暮れ時にはそれぞれの灯りが水面に映ってとても美しい光景が現れる。

Ars Electronica Centerへ行こう その4 「Linzの市内交通」

ヨーロッパの街並みがとても素敵だと感じるのは、路面電車が走っているというのも一つの理由だと思う。特にリンツの市内は路面電車が時間通り正確に運行されていて、標識も分かり易いので、とても安心して利用できる。街の見どころはそれほど広くはないので歩きでも十分だが、冬場は寒いので寒さしのぎにもなるし、中央駅へ出るときなどは、とても便利。 路面電車の停留所にはオレンジの券売機と、列車の運行状況を表示する電光掲示板がある。 1日乗車券のMAXIは3.40ユーロと、そう高くはないので、朝、買っておけば気軽に路面電車を利用できてとても便利。特にメイン通りは頻繁に列車が行 き来しているので、ちょっとした距離も来たら乗ってしまった方が楽だ。車内アナウンスも聞き取りやすいし、何より、外がよく見えるのでたとえ乗り過ごして もすぐに解る。停留所一つ二つなら歩いて戻れる程度。街はとにかく安全なので、心配が全くないのが嬉しい。 チケットは乗車前に停留所で購入。その後はただ乗ればいい。車外でも車内でも改札はない。時々抜き打ちチェックがあって、その時にチケットを持っていないと厳しい罰則を受けるらしい。 乗ったら、後は余裕の顔をして、車窓を楽しむのみ。といっても大した距離はないのだが・・・

Ars Electronica Centerへ行こう その3 「美しい街リンツ(Linz)へ」

大きな地図で見る 移動二日目。ウィーンからリンツへ車で移動。鉄道を使うと1時間半程度。車でホテルからホテルへのドアーツードアで2時間程度。時折雪がちらついていたけど、それほど雪が積もっている様子はなかった。窓の外にアルスエレクトロニカセンターが見えてきたときにはちょっと感動。数年前の洪水の日、ただの観光客として僕はここに居たけれど。再び自分の作品と一緒にこの地に戻って来れたことはとても嬉しくて、光栄に思う。 宿は、手配してくれた老舗のWolfinger Hotelへ。 街の中心となる広場Hauptplatzに面していて、アルスエレクトロニカセンターへは歩いて5分もかからない。昔ながらの伝統的な3つ星ホテルとのことだけど、気取った感じもなくアットホームで、古いのによく手入れされていて清潔感がある。部屋も広くはないので、アメリカンスタイルのホテルがお好みの人にはちょっと物足りないかもしれないけど、オーストリアの雰囲気を味わうには最高のホテルだと思う。 http://www.hotelwolfinger.at/ エレベーターはヨーロッパの古い建物によく見られる、トイレかと思うような小さな後付タイプ。内側にはドアがなく乗っていると壁が動いていく感じ。「箱に乗って動いている」というのがとても身体的に感じられる乗り物。 各フロアにロビーがあって、ソファーが置いてある。部屋の内部をコンパクトにして、広々としたロビーでくつろぎながら旅の出会いを楽しむという考えなのかもしれない。 部屋はコンパクトで素朴だけど、とても素敵な感じ。同じフロアにロボットクリエイターの高橋智隆さんが泊まっていた。無線LANが無料で使えるのだが、なぜか各回のロビーに出ないと使えないので、よくそこで遭遇。でも、一番最初にすれ違ったのが、僕が朝食で出た豚の頭と格闘しているさなかだったので、朝からよくあんなものを・・・というインパクトある出会いだったらしい。 さて。荷物を置いて街へ繰り出そう。

Ars Electronica Centerへ行こう その2 「モスクワ空港のインタラクティブマシーン」

大きな地図で見る 極寒のモスクワへ到着。といっても室外に出ていないので、寒そうな様子を窓の内側から眺めただけで、空港は暖かくて快適だった。 それほど広いわけでもなく、免税品店のさほど多くはない。空港全体が素朴な感じ。しつこく声を掛けてくる店員もいないし、どちらかというとそっけない感じの方が多い。買い物はルーブルしか扱っていない所、ユーロなど各国通貨を扱っているところとあった。全体的にまだまだクリスマスの雰囲気。 ちょっと厳しそうな顔立ちのロシア美人とすれ違うたびに、モスクワにいるんだなと気づかされるが、それ以外はこれぞロシアといった感じはなかった。マトリョーシカが多量に売られているのがロシアっぽいといえばそうだけど。 空港内で見つけた面白い自動販売機。 コインを入れると生ジュースを自動で絞ってくれる。シンプルな動きが結構面白かった。自動販売機は最もベーシックなインタラクティブ装置だけれども、これはロボットにも通じるところがある。わざわざ窓を開けて見せなくても良い気もするけど、本物の生ジュースだというのを視覚的に伝える効果は絶大。そして見ていて楽しいというアトラクション的効果もある。その場でドリップするコーヒーの自動販売機とかも、中をうまく見せたら面白いかもしれない。ルーブルの持ち合わせがなかったので、残念ながら味を試すことはできなかった。 そして、いよいよウィーンへ移動。当然、通常通りエコノミークラス。食事はビジネスとは大違い。でも、まずくはなかった。スタッフは全員男性。乗った感じの雰囲気としては、スタッフのおおざっぱさとか、アメリカの国内線のような感じで良くも悪くもない。離陸も、着陸もとてもスムーズだったのはさすがという感じ。離陸前に一瞬急ブレーキを掛けるのは、何か意味があるのだろうか?凍結防止? 大きな地図で見る ウィーン・シュヴェヒャート国際空港(Vienna International Airport)へ到着。着陸時には噂で聞いていたとおり、ロシア人乗客から拍手が起きた。そういう習慣があるらしい。到着時間が遅いため移動は翌日車で。空港前のホテルで一泊。さすが空港へ移設ホテル。何をするにも高い。無線LANも有料。

Ars Electronica Centerへ行こう その1 「アエロフロートに乗った」

2008年12月26日。 いよいよGarden展示設営のため、オーストリアはリンツ、アルスエレクトロニカ・センターへ向かう。現地はとにかく寒いらしい。年末で無理矢理、他の仕事を切り上げて来たので、あまり旅に出る実感がないまま空港へ。 大きな地図で見る 今回は、宿泊とチケットをアルスエレクトロニカが準備してくれたので、航空会社もホテルも、完全におまかせ。で、手配されたのが、悪名高き「アエロフロート ロシア航空」。 いろいろな人に、「サービスが悪い」「落ちる」と言われた。 そして、経路もすごい。通常、「成田・ウィーン・リンツ」で全て飛行機で宿泊無しで行けるところを「成田・モスクワ・ウィーン」ときて、ウィーンで一泊して車でリンツへ移動。移動だけで1日半はかかる。腰痛持ちにはちょっと不安な旅程。 天気は晴れ。チェックインの段階で、少々空港スタッフともめる。搭乗口でもなぜか突然呼び出され。いやな予感・・・と思ったら。エコノミーが満席になってしまったので、ビジネスクラスに変更とのことで、なんとビジネスクラス初体験。 離陸する前から、まずシャンパン。 足を完全に伸ばせるフルフラットシート。一応180センチ前後の大柄の体なのですが、モニターの下のポケットはシートベルトを外さないと全く届かない。ラッキーなことに、アエロフロートは新型機材を導入したばかりで内装もとても綺麗。モニタはオンデマンド、インタラクティブシステム。電源はもちろん、USBポート、LANポートもあったけどネットは使えないとのこと。 そしてシートの操作ボタンが多いこと。自分の思いのままにシートの位置を変形できる。飛行機の座席はグレードが上がるとインタラクションのグレードが上がる。それは、座席やモニターだけでなく、スタッフの応対も非常に丁寧でいろいろ細やかにオーダーに答えてくれるという点でも違いを感じた。 離陸後のお飲み物。 素敵な機内食。けっこう軽めだな・・・と思ったら、これはまだ前菜。 サラダ、スープ、メインときて、デザートまで。なんとまあフルコースでした。外を見れば大空が広がっていて、まるで空の上のレストランのよう。 夜のティータイム。外は幻想的な夕焼けが広がる。数字時間後、モスクワ到着前に軽い軽食。 大きな地図で見る そしてモスクワ、シェレメーチエヴォ国際空港へ着陸。空港の路面が凍結していて、外は極寒の様子。揺れも少なく、着陸もとても安定していた。それにしてもビジネスクラスのサービスが良すぎてこの後のエコノミークラスとのギャップに不安を感じながらトランジットへ。言われていたほどアエロフロートは悪くない。それはビジネスだったから???

文化庁メディア芸術祭

ごく一部のすごく狭い所では、なぜか「メディアはもうだめだ。」「メディアと名の付く所は先行き危うい。」「メディアは人が集まらない。」と、いう説が繰り返しささやかれている。 ものごとがうまくいかないことを景気のせいにしたり、人口減少のせいにしたり、名前のせいにしたり。結局の所、どこかに責任を押しつけたいだけなようにも聞こえる。 先日、文化庁メディア芸術祭に行ってきた。とにかく、もの凄い人の数だった。入場制限するほどで、老若男女、本当に子供からお年寄りまでが、作品の前に列をつくって、「わー」とか「へー」とか、「お〜」と言いながら作品を楽しんでいた。 思うに、ようやくこうした表現分野が一般に認知され始めたのではないかと思う。 まだまだこれからなのだと思う。 専門家に限って、「メディア芸術祭は面白くない」、「年々つまらなくなる」なんて話を聞く。ある側面ではそれは本当かもしれない。そのある側面というの は、「技術的な新しさ」というものが、目の慣れた専門家にとっては、あまり魅力的でなくなってきたからではないだろうか。最先端技術というのはそうそう毎 年新しいことが起きたりはしない。更に、メディア芸術祭の場合、一般に流通したものに賞を与えている傾向があるため、既に「技術的な新しさとしての驚き」 は薄れている可能性が高い。 恐らく、もっと表現の分野に目を向けていくことが必要なのではないかと思う。繰り返し出会っても、わくわくさせられ続ける表現。理屈抜きに心を捉える表 現。そうした表現力を持ったメディアアートは既に沢山存在すると思うし、そうしたものに目を向け、更にもっと発掘していくことも重要なのだと思う。 これまでは、極端に先端技術だけが注目され続けた。絵画で言うなら、新しい素材、新しい技法にばかり注目が集まりすぎていた。写真で言うなら、カメラの新 機能にばかり、心を奪われていた。これからは、それらを用いて、何が表現されているのか、そうした面に意識の向いた観客と主催者がより増えていくことで、 メディアアートが文化として根付いてくるのではないかと思う。そして、そうした意識を持った人を育てていくことも大事なのだと思う。 まだまだ始まったばかり。ほんの入口にさしかかったばかりなのだと思う。

アルスエレクトロニカと文化庁メディア芸術祭

2009年1月のアルス・エレクトロニカ・センター(以下AEC)リニューアルで 展示のかなりの割合が、日本の技術、作品紹介となっている。 日本人の僕からすれば、見慣れたものも多くちょっと物足りない気がしてしまう のは、 文化庁のメディア芸術祭と同じ感覚であるように思う。 しかし、AECはオーストリアにある。 更にオーストリアの中でも若干地方都市とも言えるリンツにある。 リンツという街では、それらの日本の技術は 決して日常的なものではないし、どこにでも置いてあるものでもない。 一方、文化庁メディア芸術祭の難しいところは、 多くが、ゲームショーなどの展示をはじめとする様々なショーで 観ることができたり、近くの本屋や家電量販店に行けば置いてあるものに 改めて賞が与えられている。 国の文化事業であるから仕方ないのかもしれないが、 文化としての価値や、それらを評価する目を肥やすという意味では、 もっともっと、世界中からさまざまなメディアアートを招待して、 それぞれの特色を見られるような、発見をもたらす芸術祭となって良いのではな いかとも思う。 そうすることで、日本の作品のすばらしさが、更に分かると言うこともあると思う。 AECはメディアアートを文化として育てていこうという意識をすごく強く感じる。 博物館施設を持つことで、日常的に文化を育む努力をしている面もあり、 それは、ハードだけでなく、その中で来場者とどう関わるかという、 ソフト面でも様々な工夫があるように感じる。 芸術はそれを創る側と、それらを受け入れ評価する側とで成り立っている。 それは、特別な権威のある人々を意味するのではなく、 我々1人1人が1人1人の尺度で、 新しいアートの本質を知り、表現の質を楽しむ文化を 育てていくこと、育んでいくことで広がっていくのだと思う。

春がもうすぐやってくる

外に出たときに。「春だ」と感じる瞬間が、ここしばらく増えてきました。今日は、とても暖かかったのもあって、カメラを持って電車に乗らずにぷらぷら散歩。 梅の花があちこちで、咲いていました。 この標識。改めて見ると、手を繋いでいるんですね。 目白庭園の梅は、まだまだこれからといった感じ。 電灯と粗大ゴミ。「幸せはそこにある」のような光景。寂しいような懐かしいような。 最近あまり見なくなったシーソー。 見上げた空。夕焼け前のやわらかい空。 つかの間の小旅行を満喫した午後でした。

肩書き

新しい肩書きです。ウソです。 荷物が届きました。目印にこのように張り紙されていました。 (^^) 最近アマゾン大活躍。便利です。結構直ぐ届くのがびっくり。 よく使う通販はアマゾン、アスクル、マルツパーツ。

デザインかアートかという話し

デザインかアートかという話しは難しいですね。 僕は、制作者としてはどちらでも良いと考えていて、創ったものが結果としてカテゴライズされると考えています。 ということを前提として。 デザインと呼ばれる領域で働いているとある人に「デザインとは何か?を一言でいうとなんですか?」と聞いてみたところ、「付加価値」という答えが返ってきました。 いろいろ本を読んでみたり、話しを聞いてみたりするうちに、「デザイン」というのは、「経済」とは切り離せないのではないかと僕は考えています。 そして、本当の良いデザインというは「経済」と切り離されたところで産まれ、「経済」に貢献するのではないかとも思います。 「複製芸術」の中で、 「純粋に、オリジナルであることに意味がなく」、 「経済効果を伴いながら生産し続けられることで、世に送り出される」のが デザインではないかと。 ではアートは何か? ・経済効果をはじめから無視することが許されること。 ・その先見性、メッセージ性によって経済以外に貢献する可能性を持つこと。 ・既存のニーズ、潜在的ニーズの範疇の外から、  作家が考える本質的な存在意義、方向性を訴える手段となりうること。 こうしたことが、同じアートの中に存在しながら、デザインの中では中心となりにくい点ではないかと考えています。 誰に何を伝えるのか。 そのために適した伝達経路の違い。 それが、デザインと呼ばれたり、そうでない呼ばれ方をしたりするのではと考えています。